雪の思い出

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雪の思い出

 私は、小さい頃からずっと思っていた。  雪のようになりたい、と。  (はかな)げで、真っ白で。  透明感があって、美しい。  そして誰もが、目を留めずにいられない。  私も、雪みたいになりたかった。    そんな雪は、もういない。    ごめんね?  吊り橋から落ちた時は痛かった?  でもね?  でもねえ?  勘違いしないで?  あの時ね。  神様の声が聞こえたの。 「背中を押せ」って。  双子なのに私よりもキラキラしてたから。  誰よりも愛されてたから、きっといけなかったんだよ。    心配しないで?  ちゃあんと代わりになってあげる。  お姉ちゃん、雪の分までいっぱいいっぱい幸せになってあげる。    雪。  私の為に生まれてきてくれてありがとう。  生まれ変わっても、また一緒にいようね。    うふふ。    
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