秘密の対象

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秘密の対象

 帰宅した俺は自分の部屋でぼんやりと今日の出来事を思い出していた。目を閉じると猫に囲まれて困ったように笑う園田さんが浮かんできた。あの子、結構、いや、凄く可愛くないか?  俺は服の襟に触れた。あの子の指が襟に触れた時を思い出すと身体が熱くなった。  俺はため息を吐いた。  そう言えば、俺は気を遣わなくていい相手って言っていたな。良き男友達って所か。再び、俺はため息を吐き、小指を見つめた。   さて。秘密の理由について考えてみよう。今日は角度を変えて、だ。 『誰にも話さないでね』と園田さんは言った。見方を変えれば『俺の知り合いには話さないでね』って事だ。つまりだ。新井と三木のどちらかには秘密って事じゃないか?
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