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2, 家族
私の家族は父と母だけだ
兄や弟、姉や妹もいない一人っ子
だが父と母も血のつながりが有るだけ
二人は離婚してしまった
丁度私が中学校を卒業してすぐだっただろうか
部活の仲間や後輩、顧問の先生方に挨拶をすませ
中学生として部活に顔を出す最後の日を終えて帰ってきたとき
怒鳴り声や食器の割れる音が鼓膜をビリビリと揺らした
今までは一度もそんなことがなかったのに
話を扉に耳を当ててそっと聞いていた
「あなたがお酒を沢山飲んであの子を放置するからあの子は気味の悪い子になったんでしょ!?」
「それを全て私のせいにして!私のせいだっていうの!?あなたのせいなのに!?」
「全部俺のせいだと!?」
「ふざけるなよ!?お前の精神がおかしいからあいつも狂ったんだろう!?」
苦しい、心臓が締め付けられる
心臓の音が煩い
こんな時君だったらどうするんだろうか
そもそも君だったらこうなることなんて無いんだろう
なんて神は酷いのだろうか
人間には最初から罪があるというのなら
『苦しみも全部平等にしてよ…』
呟いた言葉はきっと
もう誰にも届かない
結局両親は離婚して私は高校入学と同時に一人暮らしを強制された
君が私だったら…君を消していなければ
良かったのだろうか
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