最悪な出会い

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 あんなに激しく拒絶したのに、しばらくしてギーヴはしれっと放課後の校門の前に現れた。前世でもこういう無神経なところがあったが、昔の私はそんな彼の態度を好ましく思っていた。身分差のせいで気遣われることの多かった私の心は寂しさを感じていて、そんな心に彼の遠慮のなさは春の訪れのように、暖かくて、穏やかな風を与えてくれた。  しかし今は神経を逆撫でする。 「アリア」  後ろから追いかけてくるギーヴを無視して歩いていた私を、ギーヴの優しい声が止める。  アリア  私の護衛で本来なら私を敬う必要があるギーヴは、いつも私を敬称なしで呼んだ。身分も隔たりもなく、私を見てくれているようで、名前を呼ばれるたびに私は犬のように尻尾を振って駆け寄っていた。 「アドレス、交換しようぜ」  前世と変わらない、悪戯っぽい笑顔でギーヴはスマートフォンを私に見せる。  ふざけないで  誰があんたなんかと交換するもんですか  今度は私があんたを殺してやるんだから  頭に浮かぶ数々の罵倒。  けれど身体は魔法でもかけられたかのように、自然とポケットに入ったスマートフォンに手が伸びる。  気づいた時には画面に「烏野 深夜(からすの しんや)」と表示されていた。
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