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〜綴〜
結局打ち上げは朝方近くまで続いて、俺たちがホテルに引き上げた頃には、空が白んでいた。
「つづ、井波大丈夫か?」
鮫島さんの言葉に、肩に担いだ井波を見た。
「大丈夫、寝るだけだし」
「分かった。じゃ、また後で。俺ももう限界だ」
「俺も〜」
「俺も」
三人はそう言って一階上の階の部屋へ上がって行った。
俺は井波を担ぎ直しながら、目の前の扉にカードキーを差し込む。
扉を開けて井波をベッドに仰向けに寝かせた。
「…名物みたいになってんじゃん…壊れたロボット…」
寝かせたベッドの脇に腰を下ろして呟く。
優しく髪を撫でてみた。
「井波…本当に…起きない?…ねぇ…井波…」
こんなんじゃ
悪戯されちゃうよ
ギシっと柔らかなベッドが軋む。
仰向けの井波の顔の横に手をついた。
肘を曲げれば、体が重なる。なるべく体重をかけないよう、膝を付いて首筋に顔を埋めた。
身体は酒臭いのに、井波の優しい香りが混ざっている。下半身がガチガチに昂まるのを感じながら、荒くなりそうな息を殺す。
白い首に唇を当てて、そっと舌先を這わせる。
途中、チュッと吸い付くようにすると、井波が身体をピクンと動かした。
俺は抑えきれず、そのまま井波のシャツのボタンを鎖骨が見えるまで開いた。
綺麗に浮いたその鎖骨ラインに指先を這わせると、井波が呻くような小さな声を上げる。
顔を見上げると、薄っすら開いていく井波の瞼が見えた。
あぁ…起きちゃうなぁ…怒られるなぁ…
漠然とそんな事を思ったら、首の後ろに手が回り、俺は井波の胸元に顔面から突っ込んだ。
「ぃ…井波?」
「…何してんの?」
俺はちょっとだけ考えて、苦笑いしながら呟いた。
「あぁ…えっと…悪戯?」
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