もっと教えて?

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もっと教えて?

 まだ初詣には行っていなかった静香さんと神社に向かうことにする。  俺の自転車は公園を出てすぐにある静香さんの伯母さんのピアノ教室に置いて、静香さんの運転で。  助手席から見る静香さんはまたちょっと大人に見えて……でも、不思議とこれまで感じてきた焦りより一緒にまったり過ごすその時間が楽しかった。 「焦る?」 「……別に」 「前もちょっと言ったけど、運転なんて少ししたらできるようになるのよ。でも、私が高校生には戻れない……でしょ?」  そう言われたのは大きい。  しばらくそうやって車内の時間も楽しみながら到着した、夜中に流星たちと参拝した神社より遥かに立派な神社。  人出も多くて、俺は静香さんに向かって手を差し出す。 「こういう場合、手繋ぎたいタイプ?」 「……それ聞く?」  ちょっとムッとしているのを見て笑ってしまった。 「俺はしっかり繋ぎたいけど……ダメ?」  手を出したままで聞くと、静香さんはそっと手を出してくる。 「うわ!冷えてんじゃん!」  繋いだ手をそのまま一緒に俺のコートのポケットに入れると、俯く静香さん。 「ん?」  それに気付いて覗き込もうとすると、パチッと軽く頬を押された。 「照れてんだ?」 「うるさい」  そう言いつつ背けた耳が真っ赤で、俺はポケットの中で握っていた手に力を込める。 「かわい」 「何言ってんの?」 「ヤバいね。めっちゃ好きだわ」  照れる静香さんがまた堪らなくて……空いている手でバシバシ叩いてくるのも愛おしい。  自覚するほどバカップルで……止まらなかった。
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