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叫び声と同時に、バン、と彼女がアクリルの壁を拳で叩いた。
その瞬間、後ろに控えていた係官が飛んでくる。
「何ヶ月もかけて練り上げたトリックを、あんなにあっさりといてくれたおかげで、私は今こうして刑務所の中にいるんだからね!! そんな相手と付き合うわけないでしょ!!」
喚き声を残して、彼女は強制的に退出させられた。
僕はと言うと、騒ぎを起こすような言動は控えろ、自分の推理で逮捕に導いた犯人を口説くな、とこんこんと説教をされてしまった。
空虚な思いを抱え、僕は刑務所を後にするしかなかった。
ちらちらと舞い落ちる雪の中、僕のついたため息は白い大きな靄となってから散っていった。
探偵と言うのは、実に報われない職業だと思わずにはいられなかった。
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