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その日は朝から雪がちらついていた。
「雪か……」
呟く僕の口から白い息がこぼれる。
雪を見ると思い出す。
冬のあの日。
雪の舞い散る高原に建つホテルで、僕は彼女と倉橋真紀と出会ったのだ。
それと同時に、僕は報いと言うものについても考えてしまう。
待ち合わせより少し早く到着した僕は席に着いて彼女を待つ。
そわそわとする気持ちがずっと胸を支配している。
なぜならば、僕は彼女に恋をしているからだ。
その思いを今日こそ伝えるべく、僕はここに来た。
同じホテルで過ごした一夜の出来事。
あれが、僕たちの関係性をがらりと変えた。
その前日まで見ず知らずだったなんて信じられないほどに深く僕たちはつながったのだ。
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