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ねえェッ秘密だよ
「ねえェッ、絶対に秘密だよ」
天使のように可愛らしいアンジェラは微笑んだ。まるで子猫みたいに正義の味方に甘えてみせた。
リビングのソファでジャスティンは彼女の肩を抱き寄せた。スラリと長い脚を組んだ。
「フフゥン、どうしたんだ。アンジェラ。お父さんに内緒で、お泊まりデートでもする気か?」
ジャスティンはアイスコーヒーを飲みながら楽しそうに微笑んでみせた。
気障なセリフも彼が言うと様になった。モデルのように背が高くスタイル抜群だ。
正義の味方にはうってつけのイケメンだろう。
ここはタワーマンションの最上階のジャスティンの部屋だ。
スピーカーからはあいみょんの『マリーゴールド』が流れていた。ノスタルジックで優しく懐かしいメロディだ。
「ウン、実はお父さんの事なんだけど……」
アンジェラは言い難そうに言葉を選んだ。
「フフゥン、アンジェラのお父さんは門限に厳しいらしいね。良いとこのお嬢様なんだ。アンジェラって?」
「ううん、全然。あの父親はどっちかって言うと極悪非道の極致ね」
「フフゥン、なんだよ。それじゃまるで悪の首領みたいな人なんだな」
「ううん、みたいじゃなくって、マジでそうなのよ」
「え、そうなのって、まさか?」
「私のパパって、『悪の秘密結社ギルディアの影の黒幕』なの」
「えッえ、えェェ……?」
さすがに正義の味方ジャスティンも驚きのあまり飲んでいたアイスコーヒーを吹きこぼしそうになった。
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