プロローグ

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   私たちを包み込む明るい陽の光と、佐倉の背中。 「……」  それを見て、ここに来るまでに関わった人たちのことを思い出し、私は開きかけた口を閉じた。  それぞれの人に、一言では語り切れない想いがあった。  その人がその人生を歩んでいるがゆえの、その人だけの事情があった。  これから会う人もまた、抱えていた事情がある。きっと、想いもある。      だから佐倉にウニのことを教えるのは、また後で良い。  そう思い直して、私は前へと顔を向けた。
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