隣のあなた

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 それから、一週間以上もも経つと隣の席の人は、私と仲良くしようとしているのではないかと思うようになった。それが、本当なら少し嬉しいと思ってしまった。けれど仲良くはなれそうもなかった。  「ねえ、何か好きな食べ物とかある」  「え、特に何もないけど」  「そうなんだ。僕は、唐揚げが好き」  「それがどうしたの」 と私は、言った。  そしてまた、その人は、気まずそうにうつむいてしまった。それで今日になって初めて、私は、何か特別悪いことをした気がした。でも何を言えばいいのか分からず黙っていることしかできなかった。私は、あまり人と話したことがない。だから、どうやって人と話していいのかわからなかった。そのため、素っ気ない返事しかできなかった。本当は自分のことについて質問してくれたことが嬉しかった。それでもきっとこれは伝わっていないだろうと思った。  明日こそは、私から話しかけようと心に決めて帰ることにした。別に仲良くするつもりはない。ただ、転校してきて心細いだろうに素っ気ない態度で傷つけてしまったと思うと心が痛んだ。だから、私は、話かけないといけないと思った。  私は、家に着くとインターネットで、人との話し方や会話の続け方について調べた。調べてみてもやっぱり私には、難しいと思った。それでも明日は、話しかけることに決めた。
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