隣のあなた

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 私は、やっぱり彼が私のことを言い人だというその言葉に罪悪感を感じた。私は、彼が言うほど立派な人間ではなかった。私は、嫉妬や妬みばかりの忌々しい存在なのに、課題評価されたことで罪悪感を感じた。  「私は、そんないい人じゃない」 と言わないでいようとしたはずなのにまた口に出てしまった。  「いい人かそうじゃないかなんて、それぞれの考えによって変わってくるよ。周りになんと思われているとしても、僕にとってはいい人だよ。転校生だからと特別ちやほやしようとしないだけでいい人だよ」  「そうなの」  「そうだよ。僕は、転校ばっかりだからどこにも本当の居場所はない。転校生ってだけでちやほやされることはよくあるよ。でも、転校生として最初に話かけられるのは、前にいた場所のことばかりだよ。それだと友達になれたとして興味があるのは、僕じゃないと言われているみたいだよ。まあ、こんなこと思うのは僕暗いかもしれないけどさ。それでも、君は聞かないでいてくれたから、僕は嬉しかった」 と言った彼の顔を忘れることができないと思うほどきれいだった。  私は、普通に彼のことに興味がなかっただから、話かけようとしなかっただけだ。交友関係を広げたくなかっただけだった。なんて声をかければいいかわからなくてそれでも、黙っていることもできなかった。  「そう」  彼の考えを確かめるために言った。  「そうだよ。だって。君だけだったから。僕の教科書がみんなと違うことに気づいているのは」  「だって隣の席なんだから、当然でしょ」  「今までの学校でこういうことがあっても気づかれないことの方が多かった。それに、僕と仲良くしようとノート送ってくれた人達も気づいていなかった。僕たちしか席つなげてないのに、その理由に気づかないんだ」  「そう」  「それに、君が先生に話に行ってくれたことすごく嬉しかった」  「それは、あなたのためっていうか、自分のために行っただけだよ」  「あんなこと言いに行かないよ。少なくとも僕だったらいいにはいかない。だって、僕が見せたくなければ見せなければいいんだから」  私は、彼の言葉を聞いてなんだか私は、良いことをしていたような気がした。私では、気づいてなかった。自分のためにしたことが他人のためになることもあるんだなと思った。
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