友達

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友達

 私にとって初めての友達は、きっと初恋の人でもあった。けれど、当たり前のように一緒にいるときは気づきもしなかった。だから、この恋に気づいたときには失恋してしまった。  私は、小学生に入っていとこの結婚式に呼ばれた。それに影響された私は、いつもみたいに(うち)でゲームをしている時に話しかけた。  「ねえ、将来結婚することになったら、私が友人代表のスピーチしていい。いいよね」  「なんで、お前に頼まないといけないんだよ」  「いいじゃん。友達でしょ」  「でも、お前には無理だろ」  「できるもん。ね、いいでしょ」  「まあ、いいけどさ」  「何か言いたげだけど何かあるの。」  「じゃあ、お前の結婚式の友人代表のスピーチ俺にやらせろよ」  「やってくれるの嬉しい」  「あー。そうかよ」  「うん。じゃあ、約束だよ」 と言って小指を差し出した。  特別な意味なんてなかった。この時の私には、他の意味なんて分からなかった。彼の気持ちにも気づけなかった。私は、ただ単純に話しかけただけだった。  私たちは、同い年だったけれど、お兄さんのいる彼の方がちょっとだけ大人だった気もする。だから、叶わないものにしてしまったのかもしれない。  もし、こんな約束していなければずっと隣にいれたのかもしれない。
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