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友達二人が喧嘩してしまったあの日から、もう数日が経った。
けれど、二人は、まだ仲直りをしていなかった。私は責任を感じていた。
あいつとの関係は、変わらない。それでも、なんだか佳恋から避けられているような気がする。それも仕方ないのかもしれない。
二人が喧嘩してしまったのは、私がいけないのだから。それに、この状況は、私にとって都合が良いと思ってしまう気持ちもあった。ただ、そんなことを考えてしまう自分が嫌だった。だから、二人には、一刻も早く仲直りしてほしかった。
私は、佳恋が避けようとしていても向き合わないといけないと思った。私まで逃げているわけにはいかないと思った。
私は、休み時間になるたびに佳恋たちのクラスを訪ねた。
私のクラスと佳恋たちのクラスは離れているから、私がつくころには、佳恋の姿がないことが多かった。けれど、諦めるわけには、いかなかった。あと一週間で夏休みになってしまうから、時間がなかった。
そして今日、私のクラスは、少し早めに帰りのホームルームがはやく思った。だから、私は、真っ先に佳恋たちのクラスの前に行って終わるのを待った。
佳恋が教室から出てきた。私は、その手をつかんだ。
「ねえ、今日一緒に帰ろう」
「なんで」
「友達だから」
「私、ひどいこと言ったのに…」
「別に悪気はなかったんでしょ」
「…そうだけどさ」
「なら、いいよ。一緒に帰ろうよ。恋バナしよ。友達でしょ」
「いいの。当然でしょ」
「ありがとう」
と佳恋は言って笑ってくれた。
やっぱり佳恋の笑顔が一番式だった。花恋にはずっと笑って貰わなければ、私は幸せになれない。そんな気がする。
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