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1. 帰路
○自分へのご褒美
「お先に失礼します。」誰も返事はないまま彼女は午後6時頃退社する。
彼女の名前は「小久保早紀」。年齢は27歳。派遣会社の正社員で渋谷にある会社に派遣されている。
仕事内容はソフトウエアーでのシステムエンジニアのサポートで、資料作成を行っている。
西葛西で一人暮らしをしていて、月に1回デパ地下で惣菜を買って帰るのを自分へのご褒美としている。
外は小雨が降っており、傘を差して駅に向かう。途中から地下に入る。迷路のように入り組んでいる地下からデパ地下に着く。
少女のように目を輝かせて、いろんな店に目移りしながら選んでいく。至福の時間。
最終的には「エビマヨ」と「ローストビーフサラダ」を購入する。
30分程度買い物をして、幸せそうな顔で半蔵門線にのり大手町で乗り換えて帰路につく。
地下からそのまま改札へ。始発電車はないので、人は乗っている。
席は座れないが、ドアと座席の間にある手すりにもたれて暗い外をボケーと見ている。
早紀には「中岡学」という彼氏がいる。親元暮らしで製造会社の営業で出張が多く、会えない時もある。交際は1年半位。
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