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「青山一丁目」駅に電車は入る。徐々に減速し、駅で待っている人の姿もはっきりしていく。そんな姿に見覚えのあるレインコートを着て、傘をもっている人が目の前を通過する。昔愛していた「木島慶一」である。
早紀は電車をおりて、声をかけようとする。
「木島さんですか?以前お世話になった小久保早紀です。お久しぶりです。…」と言って、会話をはずませる予定だったが、苦い思い出が先行して言葉がでないまま、無意識に隣の車両に乗る。
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