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○苦い思い出
今から3年前。慶一の勤めている会社に早紀は派遣された。
「小久保早紀といいます。まだまだ未熟ですが、宜しくお願いします。」と頭を下げて社交辞令の挨拶をして、拍手をもらった。
「ここで待ってください。」と上司になる方に、窓際の数人程度で打ち合わせを行うテーブルに案内された。説明用の画面が置いているだけ。最も不安な時間。
しばらくして一人の男性が声をかけた。
「小久保さんの指導員を行う事になった木島慶一と言います。宜しくお願いします。」
「こちらこそ宜しくお願いします。」
早紀の印象として、外見はそれほどの印象はなかったが、優しい眼差しを感じていた。
最初に会社の総務的な話をして、その後に業務内容の説明をした。画面にて用意した資料を説明してくれた。話している内容は的確で、時に極端な例を交えながら話を進めていった。
その日は最後に軽く歓迎会を行った。といっても2人きりではなく、メンバーを集めて行われた。そこでプライベートな話をした。
慶一は早紀より3歳年上の独身、都内で親元暮らし。早紀も自己紹介をして不安を解消できるようになった。
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