ビター&スイート・メモリー

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 早紀が派遣されてから9ヶ月後、衝撃が走った。慶一が異動となり、別の部署に行くことになった。  送別会では少し席が離れていたが、慶一は一人一人に話しかけた。  早紀のところへ、「早紀さん。お世話になりました。」慶一が飲み物をつぐ。  「こちらこそ、お世話になりました。何もできなかった私を見捨てないで扱って頂きありがとうございました。」早紀が答えた。  「いやいや、早紀さんのお陰で随分助かりました。」  「今度の仕事はどんな内容ですか?」  「今までのような波のある内容でなく、安定した仕事かな。ただ、場所が変わるわけではないので、どっかで会えるよ。」  早紀は「また会える」と思い、それ以上の事は話さなかった。  しかし、異動するとなかなか会えなくなっていた。
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