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「うぅ……うーん……」
──ここはどこだ?
それが最初に頭に思い浮かんだ言葉だ。
青い空、白い雲。そしてザワザワと葉を擦る音……。
間違いない、ここはアメルにある丘だ。てか……オレ、寝てた?
「おはよう、レイン。こんなとこに一人でどうしたの?サニーは?」
グワングワンする頭に喝を入れ、横を見るとバスケットを持ったスクーレが心配そうにこちらを見ていた。
……ん?待てよ。オレ……一人で?
「……サニーは?」
「いや、そう聞き返されても!……レインはここで一人で寝てたのよ」
オレは首をかしげながら思い出していった。
「……オレはサニーとピクニックを……確かこのクッキーを食べたら眠くなって……それで……」
「あぁ、それが原因ね、絶対。薬でも盛られたのよ、きっと」
スクーレは散らばっているクッキーを見ながら言った。
「薬か……でも誰が何のために?」
「そこまではわからないわ。とにかくサニーを探しましょう」
オレはサニーのことをどう思っていたのだろうか。
──少し前まで敵だったんだろ?
心の中で、オレが吐き捨てる。しかし彼は今も昔もオレの弟。きっと寂しくて泣いてるはず。
なら、やることは一つしかないじゃないか!
「──そうだな!」
オレは立ち上がり、体とマフラーに付いた草を払った。
「まずは相談ね。えぇっと……」
「そういや手紙は届いたか?リストに渡したんだが……」
「ん?あぁ、アレ?あるけどまだ読んでないわ」
ほら、とポケットから取り出した。
常備してるくせに読んでないのか……。
「なんで読んでないんだよ……」
「困ったときに元気をもらおうと思って!」
「な、なるほど……?」
女の子って……そういうもの……なのか?
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