第2話 デストロイヤー

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「こんにちはー!」 「ムジナ!バルディさんもいらっしゃい」  スクーレがエプロンを外しながら出迎える。  ニコニコしながら手を振るムジナの後ろには、いつもの姿のバルディが控えていた。 「バルディも来たんだ」 「はい。最近物騒ですから。一人では行かせられない、と」  バルディは恭しく礼をし、眼鏡の角度を正しながら答えた。 「物騒?何かあったのか?」  オレはスクーレの後ろからバルディに問いかけた。 「えぇ。でも心配ありません。この問題は私たち大人が解決します」 「そ、そうなのか」  バルディの気迫に気圧される。  それほど危ないんだ……。それなのにオレってばのんきに寝てたんだな。 「それでは。私はスクーレさんたちのお手伝いをさせていただきます。お邪魔しますね」  バルディは再び一礼をし、キッチンに向かっていった。 「あはは、赤くてちっちゃくてかわいいね!」  声に反応し、テーブルの方を見てみると、ムジナが無邪気にプチトマトを見て喜んでいた。  ……こいつはこいつで何をしているのだか。  オレは半分呆れながらムジナに話しかけた。 「それはプチトマトだ。こんなのもわからないのか?」 「うん!あまりこういうのは食べないからね」  ムジナはプチトマトのヘタを持ってクルクルと回しながら笑った。いや、笑い事じゃない。それ、野菜食べてないって言ってるのと同じだぞ。 「食物繊維もしっかり摂れよな。腹壊すぞ」 「あはは、忠告ありがとうね」  ムジナはにへらぁと笑う。  こいつ……完全に緩んでるな……。
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