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──起きて、お兄ちゃん。お仕事終わったよ。
「ん、んー……まだ夜じゃん……」
ワタシがお兄ちゃんの体を揺さぶるが、お兄ちゃんはまだ目を覚まさない。
「レイン兄貴、さっさと起きねーと食っちまうぞ」
「んー……んん?!」
左の『化け物さん』は口についた血を舐め取りながらお兄ちゃんに近づく。ワタシは無言で押し返す。
そしてスクーレさんはどうして寝てるの?と、わざとらしく彼女の方を見て、首を傾げた。
「ん?あぁ、スクーレのことか?途中飛んできた石に頭をぶつけたらしいぞ。しばらくしたら起きるだろ。多分」
「フーン、兄貴はよく見てるんだな」
『化け物さん』によそ見をせずにちゃんと戦ってたのかなと疑問を持ち始めたその時、お兄ちゃんが声を上げた。
「とにかくここを離れよう。死神たちが……ヘッジが来る。いろいろと面倒なことになりそうだからな」
「ヘッジ……死神王か。ま、『デストロイヤー』が動いているというだけであの男が動く理由になるだろう。どうする?ヘッジも殺るか?」
「やめてくれ。マジで」
お兄ちゃんは頭を抱えながら言った。
……ワタシたちは死神が来る前にアメルを離れることにした。
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