第3話 夜中に出歩く少女

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「星空の下、駆けていく……風情があるのかないのか……はぁーあ……」  お兄ちゃんは上を向いて嫌そうな顔をした。 「静かにしないと見つかるぞ」 「はいはい。てかお前を信用したという訳じゃないから、ちょっとは優しくしろよな」  お兄ちゃんはスクーレ……さんを抱えてくれている。それだけでも大変助かる。 「カリビアのところに行こう!」  お兄ちゃんが声を張り上げた瞬間だった。 「誰のところに行くって?」 「ゲッ……その声は……」  前方から怒気混じりの声が聞こえた。  その声にお兄ちゃんは身を強ばらせる。  まさか……。 「どうして『デストロイヤー』といるのかな?レイン。詳しく聞かせてもらおうじゃないか」  茶髪に白い服、左右の長さが違う青いズボンを身につけた男性が立っていた。 「か、カリビア……これはちゃんとした理由があって……」  お兄ちゃんはしどろもどろになっている。それほどの人物なのだろう。  でも……魔力は────どこ? 「さぁ、『デストロイヤー』を引き渡してもらおうか」  カリビアは手を出す。  あの人、勝手なことを……。 「……カリビア……」  お兄ちゃんは明らかに困っている。  でも、ワタシが前に出たら……! 「おやおやまぁまぁ!久しぶりに帰ってきたら早速喧嘩を目の当たりにするとはなぁ!」 「えっ?」
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