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「……これで良かったの?ノート」
アナスタシアはサニーを抱え、頭を撫でながらこちらを見る。
オレ……いや、ボクは指を鳴らし、変身を解いた。
「はい。ありがとうございます」
確かに髪の毛はあるのに、透明に見える髪。少し薄い紺色のコート。そして、戒めの金の輪を身に着けた姿。
これが本来のボク──『アストロ・ノート』だ。
「そういや本当のレインはどこなの?」
「丘で寝かせています。クッキーに睡眠薬を仕込みましたからね。彼はあれでも悪魔……今ごろアメルはパニックになってるでしょう」
ボクはその状況を頭に浮かべ、苦笑いした。
「あらあら。魔界を任された神なのに、放置で大丈夫?スクーレに叱られるわよ。それか人間たちからクレームが来るわ」
それも、信仰に影響するほどに……と、付け加えた。
「む……どちらも恐ろしいですね……。わかりました。では、カリビアのところに移動させておきましょう」
「ふふ、それなら不死の死神の仕事が無くなりますわよ。かわいそ」
「……では、放置──としておきましょうか」
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