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性転換!?漫画にそんな説明ありませんでしたけど!? その一言にパニックになりつつ、硬直すれば、まじまじと見入っていたのが「なるほどね」とすうっと浮きあがり、一通り説明を。 「こいつは性に関することを知らないまま、家族や一族を亡くしたんだろ。 そのあとも、教えてくれるヤツと会えなかったんだな」 「うっわあああ、悲惨!哀れえ! でも、だいじょーぶ、俺らが性教育をほどこしてやんよ! 手とり足とりなあ?」 「まあ、言葉でも十分伝わるだろ。 妖精全般、ときと場合によって性転換するんだよ。 極端に例えるなら、女が全員いなくなったら、子供を作れないってんで、男が女になるわけ。 群れで男女比が偏ったり、一匹狼の妖精が、同性に遭遇したときとかな。 『このままでは血が絶える』『子を成せるこのチャンスを逃すな』って本能的危機感が体を変えちゃうんだろ。 で、お前の場合は、一族の唯一の生きのこりで、性転換しても、どうしようもないんだけど・・・。 ただ、混血でもいいから、子供をのこしたいって体が過剰反応しているんじゃないか?」 「いや、でも、俺、体つきが女になっているわけじゃあ・・・」 「性転換たって、丸丸変貌するわけじゃないから。 男なら、全体的にすこし筋肉や輪郭が柔らかくなって、子宮ができても、ちんこはついたまま、注ぎ口が肛門になるんだよ」 自分の上半身に手を這わせてみると、なるほど、細マッチョだったのが、肉つきがよくなり、胸とお腹がたぷたぷ。 お尻の奥のそこが、内側から濡れているようにも。 相手が嘘をついてなさそうなので「じ、じゃあ、どうやってイくの?」とおそるおそる聞いてみる。 もう一匹が顔を近づけ「そりゃあ!がんがんに突っこまれないと!」と高笑い。 「前に、お前みたいに体が誤作動したヤツがいたけど、どれだけチンコ扱いても、イけなければ、すこしも萎えもしなかったからな! それでも、女みたいに抱かれるのやだってんで、やり過ごそうとしてもダーメー! ぷっぷー、一日中、ぎんぎんにして女たちに罵倒されて、石投げられてたぞ! 結局、俺たちのチンコをさんざん咥えこんで、あんあんイきまくって、やっとおさまったけどな! そのあと癖になっちまって、性転換しなくても、俺のちんこ欲しがって困ったわー!」 「お前にもくれてやろうか?」と顎をつかまれて笑いかけられ「冗談じゃない!」と手で振りはらう。 「えー、いいじゃん!減るもんじゃないし!」とかろやかに宙に舞うのに「減るっていうか、子供ができるだろ!」と怒声を。 「あーそこらへんはダイジョーブだって! 基本、妖精の別種族の交わりは禁止されているし? まあ、交わった証拠、子供ができなきゃ、ばれないからね。 ばれないよう、タブーを犯すセックスを味わいたいってんだから、絶対へまはしないって!」 「正直、俺たち女に飽きてるんだ。 でもって、男から性転換した女を抱いたときの、一味ちがう快楽が忘れられない。 お前は体の誤作動を直したいし、俺たちは、その手助けついでに、おいしい思いをしたい。 ほら、お前の願いと、俺らの望みは一致しているし、デメリットもないじゃないか。 子供ができるのを、俺らも望まないよ。 そりゃあ、一族を追放される危険を犯すわけないだろ?」 「べつに強引にするつもりはないが、どうする?」「俺らと別れてから、ほかの妖精に会えるか分からないぜえ?」と二匹が暗闇に発光して揺らめくのに、歯噛みする。 教えられたことを鵜呑みにはしたくなかったが「やり過ごせず、ぎんぎんのまま」と聞かされると、惑ってしまう。 もし、たまたま妖精に会えた、この機会を逃したら、どうなるだろうと。 自分で対処できなかったとして、勃起したまま、勇者のそばにいられない。 俺の下半身事情なんかで、ロイドたちを足どめしたくないし、かといって、置いていかれるのも・・・。 ロイドと離れ離れにならないためなら、男に抱かれるおぞましさも(妖精同士のセックスなんて・・・!)夢の幻滅も、目をつぶれないでもない。 性転換した自分が、孕まされるのではないかと、その懸念だけが拭えないけど・・・。 「タブーは犯せないから!」との訴えを、信じていいものやら。 いや、漫画情報では、色黒妖精は電撃に弱かったはずだから、いざというときには、痺れさせて逃げればいい。 俺は妖精長(妖精を総べるボス)に目をかけられているし、なにかあれば、チクってやろう。 あやしさ満点な二匹の誘いに、一応、対抗策が思いついたこともあって「・・・やさしくしろよ」と乗ることに。 漫画を読んだだけでは、圧倒的に妖精について知識不足。 右も左も分からず、にっちもさっちもいかなくて、いけ好かない色黒妖精にすがるしかなかったとはいえ、やはり見込みが甘かったようで。
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