Walking on the Milky Way

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「レン、今日暇だろ? 俺と一緒に来て欲しい所があるんだけど」  夏休みが始まってすぐのこと。近所のコンビニでアイスを買って食べていると、隣に座っていた親友のダンが肩を組んでそう言った。 「何処に行くかによる」 「ミシェルの家で遊ぶって」 「いや、いい」  ミシェルとその周りの人達は派手な感じでちょっと怖いし。遊ぶって、何するんだって感じ。 「だって、サラも来るんだ。それに、誘ってくれたし。レンの事も連れて来てって言われたし。俺らが誘われるなんて、初めてだろ? こんなチャンスもうニ度とないかもだろ、頼むよレンー」  ダンは化学のクラスでいつも一緒になるサラに恋をしている。俺はそのクラスを取っていないから、2人の関係がどんな感じなのかはよく知らない。 「なんで? 俺知らない、それに俺が呼ばれるわけないし、変だよ」 「なんで? 誰かお前のこと好きな子がいるんじゃないの?」  ダンは凄くポジティブだ。俺からすれば、冴えない俺を呼ぶなんて、もしかしたら、虐めたりイタズラしたりするためなんじゃないか、なんて思えるくらいなんだけど。 「もう深く考える必要ないって、行こう。キスしに行こうっ」 「はっ? ほんとに何言ってるか分かんないんだけど」 「いいからいいから、俺、聞いたんだ。あそこに行けばキスできるって」  親友は目をキラキラと輝かせている。 「いや、余計に行きたくなくなって来たんだけど」  キスする会だなんて、嫌な予感しかしない。本当に。怖すぎるだろ。 「いいからいいからー」  ダンはサラが無理なら誰でもいいからキスしたい、なんて軽口を叩いてる。  *  誰かがゲームをしようって言い出した。お酒を飲んでいる訳でもないのに、みんなテンションが上がってどんどん盛り上がって。  俺にはもちろん恋愛経験も何も無い。  こんな所にいるはずじゃなかったのに。結局ダンの勢いに押されて、一度だけならと頷いてしまっていた。    ミシェルの家に行っても、予想していたような酷い扱いはされなかった。ただ、俺は誰にも見えていないんじゃないかと思うくらいに、誰にも話しかけられないだけだ。  それでもいいやと思っていたのに、いつのまにか妙なゲームの輪に一緒に座らされていた。それでも、引くに引けない雰囲気に飲まれて、ただ気配を消している。
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