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そうこうしているうちに第3レースが終わり、遂に第4レースが始まった。
俺は走っている選手の中に高校の時の友達を見つけて嬉しく思ったが、タケルは集団の後ろの方で走っていた。
最初の方は、タケルに勝ってほしいと心の中で応援していたのだが、時間が進むにつれて、全然前に行かないタケルに俺は腹が立ってきた。
半分の200mを超えたあたりで、勝てそうにないタケルに向かって、俺は我を忘れて大声で叫んでいた。
「タケル! お前が見に来いって言ったからわざわざ見に来てやったのに、どうなってんだよ、お前の対応は! こっちはチケット代も払ってるんだぞ! お客様だぞ! お客様は神様だろ! ……もういい、タケル! お前じゃ話になんねえわ! もっと足の速いやつ呼んでこい!」
「あの、静かにしてもらっていいですか?」
隣の人に注意されて我に返る。
「あっ、すみません……俺、飲食店によく行っていて……いつも店側から理不尽な対応をされ、それに対して抗議しているので、その感覚で今日も言ってしまいました。すみませんでした」
俺は気まずくなり、そそくさと家に帰った。
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