君が１００回僕のことを忘れたら僕は１００回自己紹介をする

事故

僕と愛衣(めい)は幼なじみだ。もう15年の付き合いになる。しかも1年前カップルになった。
愛衣は大人しくて、優しい性格だ。僕はそんな愛衣が世界一好きだ。また、愛衣も僕のことが世界一好きだ。多分僕らに乗り越えられないことなどないだろう。そう思っていた。そう思っていたはずだった
でも、それが僕の勝手な考えだったと気づいたのは僕の誕生日の日に気づいた。
愛衣が事故にあった。子供が居眠り運転のトラックにひかれそうなところを彼女が助けたらしい。子供は無事だったけど、彼女は意識不明の重体になってしまった。僕は頭が真っ白になってしまった。そりゃあそうだ。どうしようもない悲しみに襲われた。
でも、もっと頭が真っ白になったのは、彼女が記憶長期記憶障害とエピソード記憶障害なってしまったことだ。
長期記憶障害とは、数分から数ヶ月単位の近い過去や年単位で蓄えられた記憶に障害が生じる障害らしい。
エピソード記憶障害は自分が体験してきた出来事の記憶に障害が生じる障害らしい。
つまり．．．愛衣は僕のことを忘れてしまったということになる。