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14.実は異世界に転生した元ブスでしょ。
「あなたが選べる道3つをお示しします。1つ目は断罪直前の悪役令嬢であるリンド公爵令嬢、2つ目は貧しいけれど特殊能力持ちなので貴族界に入る平民レオナ、3つ目は世界を旅するユアンです。さあ、どれを選びますか?」
提案された3つの選択肢はどれも私にとって魅力的ではなかった。
「どれも選ばないわ。私は杉崎美香の人生に別に失望はしてなかったの。運悪くブ男に殺されたみたいだけどね」
私の言葉にカイは苦虫を潰したような顔をした。
「あなたを殺したのは大罪ですが、さ、佐々木太郎さんの言った事は間違ってなかったと思います⋯⋯美香さんも大概です⋯⋯」
言い辛そうに言った気弱なカイの言葉に私の中の何かが切れた。
「あんたさあ⋯⋯実は異世界に転生した元ブスでしょ。発想がブス! キモイ! 言葉発するな! 臭いわ」
思ったことは直ぐに言葉として発してきた人生だった。
言いたい事に毒があっても、周囲が私が美人だからウィットにとんでいるとか適当に好意的に解釈してくれた。
私はいつの間にか意識を失った。
その先のことは覚えていない。
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