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ちなみに、おじいさんに、私達が見た人影について尋ねてみたが、おじいさんは首を捻るばかりだった。
私達はその後、何度も空き地の前を通る事があったが――あの日を境に、誰も、二度と中に入ろうとは言い出さなかったのを、よく覚えている。
だが、最近になり、あの空き地に新しく住宅が建てられた。
立地も悪くない為、直ぐに人が引っ越して来た様だが……数週間前から、まるで夜眠るのを防ぐかのように、よく夜にガレージでパーティーをしたり、ときには家人が家の前に椅子を持ち出してまで外で眠っている姿をよく見かける。
一体、家の中で何が起きているのか――。
あそこは何があって、何が起きた土地なのか――分かる者は、今では誰もいない。
だが、少なくとも人間が立ち入ってはいけない土地であるのは確かな様で――。
30年近く経った今でも、ガキ大将の足首には、あの時つけられた何者かの手形が、しっかりと残っているのである。
【完】
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