忌み地の怪

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まぁ、なんせ兎にも角にも、何も定着しないのだ。 しかし、では忌み地になる前は墓場や病院等やばい土地だったのかと思いきや、そうでもない。 一番最初は、ただの戸建ての民家だったらしい。 街の古老も話していたが、ごく普通の一般的な家族が暮らしていたそうだ。 なのに、何故かその家族の引っ越し以降、人も何も定着しなくなってしまったらしい。 ちなみに、その家族の引っ越しの理由も『夫の転勤によるもの』であり、仲の良いご近所さん等に見送られ、円満に転居していったそうだ。 が、問題はその後だった。 前述した様に、住居から公園まで、何もかもが定着しなくなってしまったのである。 “これは実は、引っ越して行った家族の呪いではないか?” “あの家族は、実は円満な転居じゃなく、夜逃げだったんだ” “そう言えば、あそこの近所の飼い犬が行方不明になったらしい” “もしかしたら、夜な夜な出歩いては子供を殺し、家族で喰らっていたのでは?” 等々、最初に住んでいた家族がきっと原因であるという噂は新たな噂を呼び――いつしかあの空き地は、町の子供たちだけではなく近隣の市の子供達にまで有名になっていた。
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