本編

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「そうか。それなら。で、佐橋が川瀬くんを 僕に相応しくないと思う理由は?」 「付き合ってる当時から、こいつ嘘つき だって気づいてたから。好きな奴がいる んだろうって問い詰めても、いないって 嘘ついて」 「言える訳ないだろ?同期の中で、三角関係に なっちまう」 「え?川瀬くんには、佐橋と付き合ってる 最中に、好きな人がいたの?‥‥で、同期?」 「つまり、岸野。お前のことだよ。川瀬は、 入社以来、お前に片想いしてたの」 「言われちゃったか。そうです、僕は 岸野くんに片想いしてました」 「‥‥嬉しいけど、複雑な心境。もっと早く から、両想いだったってことだよね? でもそれなら、僕たちのこと応援してよ。 何故まだ反対するの?」 「だって、川瀬また嘘つきそうだし。 相手のこと考え過ぎて、自分の気持ちを 犠牲にするタイプだから。川瀬、それは 優しさじゃないからな」 「心得ておきます。というか、2人に 決意表明したくて呼んだのもあるんだ」 「「決意表明?」」 僕と佐橋が声を揃えて答えた。
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