8人が本棚に入れています
本棚に追加
本編
2月15日、土曜日。18時。
定期的に開催している同期入社の自宅飲み。
今夜集まったのは、男ばかり5人。
女性が混ざればはばかられるであろう
下半身事情が初っ端から話題に上った。
最初に話を振ったのは、
同期のリーダー格である吉川だ。
「最近、ヤッてますか?みなさん」
「彼女とはね」
そう返事したのは、
笑顔を絶やさない癒し系の佐橋。
「俺は、あんまり。出会いもないし」
溜息をつきながら反応したのは、
明るくて憎めないキャラの秋津。
「川瀬は?」
吉川が僕の隣で苦笑いしている彼に訊いた。
「そういう吉川は、どうなの」
彼はこんな時、手の内を明かさない。
相手に言わせるように仕向けるのが得意だ。
「俺は順調よ?キャバ嬢のゆきちゃんと」
「本当は、遊ばれてるんじゃないの?」
「たかられているというか」
秋津と佐橋が揃って言うと、
吉川はギョロッとした目を更に丸くして、
「し、失礼な」
と言った。
下ネタが苦手な僕は相槌しながら微笑み、
ハイボールのグラスを揺らしながら、
彼を見た。
最初のコメントを投稿しよう!