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18時半。
定時で上がった僕は、コートを羽織り、
周りに挨拶して席を立った。
彼も同じタイミングで立ち上がり、
連れ立って再びエレベーターホールへ
向かう。
「あ、お疲れ様」
佐橋がエレベーターを待っていた。
「いいね、3人がこのタイミングで」
僕の言葉を無視して、佐橋が珍しく
不機嫌そうに彼に言葉を投げた。
「で、どこで話すんだよ」
「カフェじゃなんだし。僕の家でいい?」
「世田谷かよ。遠いな。駅近のカラオケ
ボックスでいいんじゃない?なあ、岸野」
「あ、うん。僕は別にどこでも」
「了解。そうしよう」
新宿駅東口のカラオケボックスは
少なくとも3つは知っていたが、
信号を渡っていちばん近い店に3人で
入ることにした。
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