本編

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「そう。僕は岸野くんが大好きです。 2人の仲を進めるためにキミに提案するけど、 たまに悩んだり行き違いが起こったり すると思う。 その時は、自分に嘘をついてキミに無理に 合わせることがあるかも知れない。 それを律して欲しいんだ」 「できるかなあ‥‥」 「嘘ついてるとき、意外とわかるよ。 でも、簡単には認めないけど」 佐橋が助け船を出してくれた。 「それでも、川瀬くんが嘘をついてまで 僕に合わせようとしてることがわから なければ?まあそんなことを考えたら キリがないけど」 いちばんいいのは嘘をつかないことだよと 言葉を続けたら、彼と佐橋は同時に 噴き出した。 「岸野って、もしかしてB型?」 「うまくいくかも。佐橋の時と違って」 「だね。川瀬、良かったね」 2人の会話を聞いて、僕は頭の中が クエスチョンマークでいっぱいになった。 「いいの、いいの。岸野くんはそのままで」 褒められたのか、認められたのか? よくわからず、ぎこちなく微笑んだ。 「じゃあ、とりあえず。川瀬は俺の時みたいに 嘘をつかないように頑張れよ。応援する」 「ありがとう、佐橋。頑張るよ」 「僕からもお礼を言うよ。佐橋、ありがとう。 もし悩んだら、相談に乗って」 「もちろん」
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