川瀬side

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川瀬side

彼との出逢いは、4年前まで遡る。 新卒で同じ新宿本社に配属になった 15人を知った中、目についた唯一の存在が 彼だった。 決して個性が目立った訳ではない、 どちらかと言えばその逆だった。 一言で表すなら、この競争社会に珍しい くらいの自然体で、それなのに誰かに 引き立てられそうな魅力が滲み出ていた。 僕にとって、彼は一目惚れの相手だった。 後から彼に訊いたが、ありがたいことに 彼もその頃から僕を意識していたらしい。 それを知っていたら、選択を誤らず、 アプローチしていたかも知れない。
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