佐橋side

9/13
前へ
/44ページ
次へ
2月17日、月曜日。 昼休みに急遽、取引先に書類を渡しに、 エレベーターホールへ向かうと、 彼と岸野が楽しそうに話している後ろ姿が 見えた。 俺は彼らの背後から声をかけた。 「‥‥岸野」 「あ、佐橋。お疲れ様」 「悪いけど、川瀬とは」 「何がダメなの?同僚として、ランチする だけだよ」 「佐橋も、今日一緒に帰ろう」 「「はあ?」」 彼の不意打ち過ぎる言葉に、動揺した。 「子供じゃねえし、結構だよ」 「川瀬くん、何故?」 「2人に話したいことがあるからさ。 仕事終わったら、1階のビル入口の前で。 寒いから、暖かくして待っててよ」 エレベーターが到着し3人で乗り込んだが、 彼が何を考えて定時後に会いたいと言って きたのか、皆目見当がつかなかった。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加