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ふん。他愛もない。
この宇宙の歴史に残る事もない、矮小な原始生命体よ。
寛大な我はこの目で、醜悪なるお前の消滅を確認してやったぞ。それだけでも誇りに思うが良い。
さて、これ以上塵芥どもに五月蝿く集られても迷惑と言うもの。
我は新しく見つけた宇宙へ居を構える事とする。
そう、アプリ宇宙にあるマッチング星雲。
そこに大量に湧き、蠢いているのは、『叔父』と名乗る似たような矮小なる原始生命体。
不味くて醜いが、それを手当たり次第に喰らい倒せば、我は一段と力を手に入れられるという伝説がある。この若く美しき真珠の輝きを活かさぬ手はあるまいて。
さあて……
──待て……待つんだ──
……ぬっ?
──僕は君に………!──
まさか、この声は。
先程確かに消滅したはずの?
なんと、我の一撃にて消えぬ塵芥があったと言うのか。
──僕は君に必ず辿り着く!そして……!──
たかが取るに足らない塵芥の声が、住む次元すら違う我の耳に届いている、だと?
おお、なんと穢らわしい……
我が白き輝きがざわついておる。
いや違う、なんだこれは。
まさか我が核に影響を与えているのか?
矮小な原始生命体如きがか?
この様な事は有り得ぬ、信じられぬ。
そして許せぬ。
許さんぞ、愚かな塵芥めが!
性懲りもなくまだ我に向かって来るというのだな。英雄にでもなったつもりか。
良かろう。何度でもこの我が直々に、入念に消してやろうではないか。
だがこれだけは言っておくぞ、塵芥にも劣る愚かな者よ。
わたしはあんたなんかこれっぽっちも!
す、す、好きとかじゃないんだからねーーっ!!
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