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暖かい陽射しが射し込む病室で母は眠っていた。
薬が効いているのか、私がベッドの横に座っても目を覚ます様子はなく、かすかな寝息をたてていた。
「どうして、拓真さんの行だけ消したの?」
母は答えない。
しばらく待ってみたが母は起きなかった。
「いまの私の恋愛事情とか聞いてみない?」とか聞けば、起きるかなと思ったが、面会時間は終了になってしまった。
春の陽気のせいか私も眠くなってきた。
「また、あした来るよ」
私はノートを枕元に置いて、病室を出た。
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