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ハニー
『帰ったぞォ。ハニー!』
屋敷へ秘密結社『ギルディア』の首領ベガが陽気に帰宅してきたのだ。
「わァ、ベッベガ閣下だ。ヤバい」
慌てて星優真はベッドの上から飛び降りた。こんな所を首領に見つかったら一大事だ。下手をすれば命がないかもしれない。
「もう、早く隠れて」ハニーはアゴで星優真を指示した。
「ハッハイ、そうですねェ」
彼女に言われなくてもわかっている。
だがキョロキョロ見回してもどこへ隠れれれば良いのだろうか。ソファの下か。それとも他に隠れる所があるのだろうか。探し回っているとハニーに腕を引っ張られた。
「ほらァ何してるのよ。こっちよ。ベッドの下!」
ハニーは星優真の手を引き指図をした。
「あッハイ」
すぐに星優真はベッドの下へ潜り込んだ。なんとかひとり分のスペースが空いていた。
『ハニー、どこだ。ハニー!』
リビングの方から首領の声が聞こえてきた。バタバタと歩き回る音もした。どうやら首領は屋敷の中を探しているようだ。
すぐに寝室のドアが開いた。
『おおォ、ハニー。どうした。こんな時間からヤケに色っぽいカッコウだなァ』
首領はハニーの薄いピンクのナイトウェアを見つけて微笑んだ。何とも艶めかしい姿だ。
「フフゥン、ああァら、パパ。今日は、ちゃんとトイレットペーパーは買ってきたの?」
ハニーはベッドの上で軽くストレッチをしながら訊いた。
なんとか隠れている星優真の事をごまかすためだ。
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