ジャスティン

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ジャスティン

「フフゥン、それは可哀想よ。いくら宿敵(ライバル)と言っても、ジャスティンの事は国宝級のイケメンって認めてあげなきゃ」 『いやァ、しかし……』 「国宝級イケメンだって大切な武器(スペック)なんだからさァ」 『ぬうゥッ我輩は絶対に認めん。ジャスティンなど気に食わん』  憮然としてそっぽを向いた。 「フフゥン、親兄弟や周りの友人たちが反対すると、よけい恋心が燃え上がるのよ。アンジェラちゃんくらいの年頃って」  ハニーは楽しそうに批判した。 『ぬうッうゥ……』悔しいが確かにその通りだ。首領が反対すればするほど絆が深まっていくみたいだ。 「悲劇のヒロインは障害が多ければ多いほど二人の間を固く結びつけるの。ロミオとジュリエットの昔からよくあるパターンね。ラブコメの王道よォ」 『じゃァ、我輩はどうすれば良いんじゃァ。むやみに結婚に反対もできない。かと言って賛成など(もっ)ての(ほか)じゃァ』 「そうねェ。うッううゥン」  ハニーも腕を組み思案投げクビだ。 『ぬううゥ……』  首領もうまい妙案が見当たらない。 「どうにかしてアンジェラにカエル化して(もら)わないと」 『え、アンジェラをカエルにするのか?』  首領にはカエル化の意味がわからない。 「なにか一瞬で彼女を心変わりさせるのよ」 『ぬううゥ、一瞬で、そんな上手い方法があるのか?』 「そうねえェッ。例えばジャスティンが他の彼女とイチャイチャしているトコをアンジェラに見せつけたりねェ」 『ぬううゥッ、なるほどな。それは妙案じゃァ。だが』 「そうね。正義の味方、ジャスティンを誘惑する役は、なかなかハードルが高いわ」 『ぬうッうゥッ、そうじゃなァ』  また首領は腕を組み唸った。
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