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弱すぎるわ。ギルディアの怪人って
「じゃァ、こういうのはどうかしら?」
ハニーが提案した。
『ン、どういうのじゃァ?』
「私が正義の味方のジャスティンを相手に『ハニー・トラップ』を仕掛けてあげるわ」
彼女の目が妖しく光りを帯びた。
『ぬううゥッ、ハニーが『ハニー・トラップ』を?』
「そうよ。文字通りこれが本当の『ハニー・トラップ』ねェ」
『ううゥム、ッで、『ハニー・トラップ』と言っても具体的にどうするつもりなんじゃ?』
首領は割りとシリアスな顔で聞き返した。
「そうねェ、まず私が正義の味方の近くで、悪の秘密結社の新型怪人クモギルディアに襲われるのよ」
『いや、それは、ちょっと待ってくれ』
「えェッ、なによ。何か問題でもあるの?」
『うぬゥッ、話しの途中で悪いんじゃが新型怪人のクモギルディアは先週、正義の味方ジャスティンにボコボコにされて現在、長期の整備中じゃ』
「なッ、そうなの。じゃァ、仕方がないからサソリギルディアにするわ」
『いやいやサソリギルディアも先々週、正義の味方にボコボコにされてしまって今はメンテナンス中なのじゃ』
「え、それじゃァ、エビギルディアでもタコギルディアでもカニギルディアでもいいわよ」
まるで回転寿司のような事を言った。
『いやいや、怖ろしいことにエビもタコもカニギルディアもまとめて全員、正義の味方にボコボコにされて今、自宅療養中なのじゃ』
「はァ何それェ、どんだけジャスティンにボコボコにされてんのよ。弱過ぎるんじゃない。ギルディアの怪人って?」
『いやァそこをツッコまれると面目ない』
情けなく首領は頭を下げて謝った。
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