0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
旅路の食事
果てがないように見えるステップを友人とふたりで進む。見渡す限りに広がるステップの向こうにある東の国から、遙か西にある母国に帰る途中なのだ。
行きにも直面した問題なのだけれども長い旅路の間、食糧をうまく調達できないことがままある。現に今も、すこし前に立ち寄った町で買ったドライフルーツだけを頼りにしている状態だ。
次はいつ食糧を手に入れられるだろう。友人が狩りをできるとはいえ、毎回成功するものでもないのだから。
満足に食べられない日々が続いていておなかが空いた。
空腹で痛むおなかに手を当てると強い風が吹き、少し前を進んでいる友人の長い髪がなびいて首が見えた。
あそこにかじりついたら、どんな味がするのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!