巨大冷凍庫

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巨大冷凍庫

 悟は色の白い、細身の顔立ちの美しい若者に育っていた。  SNSで泊まる場所がないという少女を、家に泊まればいいと誘い、独り暮らしだと嘘をついて、少女を家に入れる。  そこで、すぐさま母親が玄関の影に隠れて少女の首を絞める。  あとは、風呂場で解体して、冷凍保存しておく。  この手の少女は果てしなく手に入ったし、柔らかくて悟の好みだった。  もう、お腹が空いた。ということはなくなった。  悟は柔らかい少女の肉を食べる時には興奮して射精してしまう程だった。  悟は実際の性行為にはあまり興味がないようだったが、ある時、とても可愛い少女が泊まる場所がないと家に来たときには、そのまま、悟の部屋に通し、何日か一緒に過ごした。  少女は悟の口車に載せられ、家族にも紹介され、悟の顔立ちにも魅かれ、体の関係を持ってしまった。  少女と言ってももう18歳だったので簡単に妊娠した。  あまり物事を深く考えない少女だったので、そのまま悟の家に住み着いて、そのまま子供を産んだ。  男の子だった。  悟の父親は人喰いではなかったので、隔世遺伝だったら悟の息子は人肉を食べない子供だったのだろうが、そう簡単な事でもないらしく、離乳食になると、とたんに少女は息子に手を焼くことになる。  悟の両親はまったく動じなかったが、ある時、半分離乳食、半分おっぱいだった息子は、少女だった母親の乳房を喰いちぎってしまった。  少女は余りのショックで気が狂ってしまったので、そのまま冷凍保存されることになった。  元々少女の身寄りはわからなかったし、本人の不在に関しては、子供を置いて家出してしまったということで近所も納得した。  二人の人喰いがいるこの家は、常に血の匂いがして、やがて、両親も消えてしまう。  悟はシングルファーザーとして会社に通いながら息子を育て、冷凍庫が寂しくなるとSNSで家出少女を誘い込む蜘蛛の巣のような家で、息子と二人、おなかがすくことなく、暮らしている。 【了】
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