ダメになりたい私のお夜食

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 もう限界でした。  今すぐ本来の"ダメな自分"を取り戻さなければ気持ちが悪くて仕方ありません。  洗面所に向かい、メイクを落としメガネをかけると、ようやく少し落ち着きました。  が、まだです。まだ帳尻が合っていません。今日はおしゃれを浴びすぎました。  何せ、友人とシェアした料理は……  季節野菜のバーニャカウダ。  そば粉のガレット。  白身魚のアクアパッツァ。  もちろん、美味しかったです。  見た目もとても華やかで、おしゃれで、見ているだけで楽しいものでした。  しかし……  私は、友人である二人に、一つだけ嘘をつきました。  二人に合わせて「お腹いっぱーい」と言ったあのセリフ……  あれ、嘘なの。  本当は全然、足りませんでした。  むしろ中途半端に食べたせいで、いま絶賛お腹が空いています。  二人には申し訳ないけど、もう臓腑(ぞうふ)の造りからして、私は"非おしゃれ人間"なのです。    ごめんね。  こんな私を誘ってくれて、本当にありがとう。  でも……  やっぱり私、このままじゃいられない。  行こう。  "本来の自分"に見合った食事を……カロリーでぶん殴ってくるような、脂と塩気に全振りした夜食を探しに。  そうして私は家を出て、深夜のコンビニへと繰り出しました。
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