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──帰宅後、すぐに準備に取り掛かります。
カップ麺のために電気ケトルでお湯を沸かし、おにぎりも数十秒だけ電子レンジで温めます。
その間にフライドチキンを齧ってしまいたくなりますが、そこはぐっと我慢です。
そうして出来上がったお夜食を、テーブルの上に並べます。
カップ麺に、おにぎりに、フライドチキン。
白い湯気と共に、いい香りが立ち込めています。
……嗚呼、やっちまったなコレ。
完全に金払ってカロリーを買って来たなコレ。
だが、それでいい。
それが、私なのだから。
……食べよう。
いただきます。
まずはカップ麺から。
おぉ、ちゃんとスープに背脂が浮いています。浮きまくっています。美しい。
ふうふうと息を吹きかけてから、ずずずっと啜ると……こってりとしたとんこつの味が口いっぱいに広がります。
すぐにもう一口、ずずず。
……はぁ、うま。
疲れた身体に染み渡るぅ。
次に、麺を啜ります。
これも美味い。細い縮れ麺がスープをよく絡めています。今どきのカップ麺は本当においしいです。
麺を一頻り啜った後は、強力な相棒・ツナマヨおにぎりの登場です。
これを一口齧り、すぐ追いかけるようにスープを流し込みます。
くぅぅ……合うぅっ。
しょっぱいスープと米の組み合わせ、最強すぎる……ツナマヨのマイルドさがまた良い。
あまりの相性の良さから一気におにぎりを食べてしまいそうになりますが、もう一つのメニューを忘れてはいけません。
そう。フライドチキンです。
これもまた米に合うわけです。
袋から取り出し、齧り付きます。
瞬間、カリッという小気味良い音。脳みそが痺れます。
そしてザクザク咀嚼する度にじゅわっと溢れる肉汁……これを受け止めてくれるのも、やはりおにぎりなのです。
ふぇぇ、うまい……
コンビニのフライドチキンって本当にズルイ……あんな風にレジ横に置かれたらつい買っちゃうじゃんバカ……好き……
嗚呼、深夜にこんなものを食べるだなんて。
ダメだとわかっているのに、美味くてたまらない。
背徳感って、最高の調味料だ。
そうして、カップ麺→おにぎり→フライドチキン→おにぎり……のコンボを繰り返します。
柄にもないキラキラおしゃれに染まった心と身体が、本来のダメさを取り戻していくのを感じます。
そう、これでいい。
この、ガッツリこってりとした食事を深夜に嬉々として貪るのが、私なのです。
さすがに買いすぎたかな? と思っていましたが、気のせいでした。
気が付いたら全て胃の中に納まっていました。
ふぅ。美味しかった。
ごちそうさまでした。
さて、さすがにこんな時間に食べてすぐ寝るのは不健康だから、お風呂から上がったらストレッチでもするか……
なんて、思うはずがありません。
ザッとシャワーを浴びたら、速攻で寝ます。
そして、ふかふかのお布団に包まれながら、思うわけです。
今日も実に良い『帳尻合わせ』であった。
やっぱり私はこうでなくちゃ。
おしゃれな服も、おしゃれなご飯も大好きだけれど……
深夜に食べるコンビニ飯の美味さも知っている。
そういうものに、わたしはなりたい。
不健康ニモマケズ、体重増加ニモマケズ……
などとくだらないことを考えて。
帳尻の合った今日に大満足をし、瞼を閉じます。
次からはアイスを追加しよう、なんて、懲りない決意を固めながら──
*おしまい*
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