出会い

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初の駅に降り 肌がヒヤリと感じる頃 僕は片手に本を広げていた 電車と追いかけっこをして過ぎ去る風に身を震えさせ 本は前の頁に戻ろうと僕の指を挟む 新たなはじまりを得る為に 初めての地に足を踏み入れた僕は まだはじまりにたっていなかった 片手に持つ本は参考書 今僕は受験生である 受験会場に着き 規則正しく並んだ椅子に腰を下ろし 男女混合らしく あちらこちらに女子の姿が見える 髪の長い子 眼鏡をかけている子 様々な子がこの受験会場にいる 最初の試験科目は「数学」だった 得意な科目なため 適当に公式を見直す そこで彼女に声をかけられた それがはじめて彼女に会ったはじまりだった
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