金欠パーティー5

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金欠パーティー5

「もういい。とりあえず俺たちは今、金欠だ。金が無いんだよ。ちなみにお前ら今いくら持ってるんだ?」  まずシグルズが視線で訊いたのはアステリア。 「1,624mn(メディヌ。お金の単位であり1mnは1円)だね」  その答えに細かく頷きながら視線はゴルドへ。 「ゴルドさんは?」 「444mn。ゴホッ」  次はフィリア。 「321mnですよ」  そして最後は残るクロムスへ。 「マイナス1万1,348mn」 「はぁ? 今何て言った?」  あまりにも衝撃的な発言にシグルズは真っ先に自分の耳を疑った。 「マイナス1万1,348mnだ」  だがそれは聞き間違えなどではなかった。聞き間違えであって欲しいと期待を込め聞き返したが返ってきた数字は変わらず、その期待ごと見事に打ち砕かれた。 「いやいや。訳分からねーよ! 何で所持金訊いたらマイナスで答えが返って来るんだよ!?」 「それは借金をしておるからだ」  クロムスは腕を組みながら答えた。当然だと言うようにそれはもう堂々と。 「そんなの分かってんだよ! なんで借金してんだって聞いてんの」 「実は先日、この町のジムでトレーニングをしておったのだが勢いあまって器具を壊してしまってな。その弁償代だ。わっはっは!!」  そんな陽気で豪快な笑い声の中、シグルズは一人頭を抱えていた。 「何でこのおっさんこんなに楽しそうなんだよ……」  だがクロムスに何を言っても無駄だとすぐ強引に気持ちを切り替え顔を上げる。 「分かった。もういい。よくなけど! もういい。――いいか。俺たちは基本的に報酬は山分けしている。まぁ多少の差はあるがそれは承知の上だからな、いいとして。だけどこれはみんなで稼いだ金だ。とりあえず何に使ってるか聞かせてもらっていいか?」
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