最終話 彼女からのメール

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最終話 彼女からのメール

 翌日の放課後。僕は楓に体育館の裏へ来るように呼び出された。果たしてどういう結果かな。  体育館の裏に行ってみると、誰もいなかった。どういう事だ? 楓がいる筈なのに何故いないんだ。  30分くらい待ってみた。でも、来なかった。運悪く、桑田に見られていた。 「何してるんだ?」 と訊かれた。そうか! 彼は僕が楓に呼び出されている事を知らないんだ。なので僕は、 「もうすぐ帰るよ」 「そうか」  バレずに済んだ。良かったー。いくら親友でも、女絡みの話しはあまりしたくない。ましてや、呼び出されて本人がいないなんて格好悪くて言えやしない。笑われるだけだ。  俺は仕方なく、帰宅することにした。一体、どうなってるんだ。ないとは思うが、俺をからかっているのか? それは違うか。  途中まで、桑田と帰ることにした。彼は 「鮫島は今日、部活もバイトも休みか?」 「ああそうだ。桑田も同じか?」 「ああ」  僕は楓の事を考えている。何か急用でもできたのかな。それなら仕方ないけれど。帰ったら彼女にメールを送ってみよう。そこに桑田が話しかけて来た。 「噂で聞いたぞ。女子から手紙が来たんだって?」 「何で知ってる?」 「鮫島とは同じクラスだからすぐに分かるさ。で、その後どうなったんだ?」 「呼ばれたからここにきたけど、本人はいなかった」 「は? なんだそりゃ」  言いながら笑っている。  やっぱり笑われた。畜生め! 楓の奴。  途中まで桑田と帰り、そして家の方向が別なので別れた。  早くメールを送りたかったので、歩きながらメールを打った。 <楓、何で今日体育館の裏に来なかった? 自分で呼んどいて>  だが、気付いていないのか、忙しいのか分からないがメールは夜になっても来ない。これは気長に待つしかないな。そう思った。  夜10時を過ぎてようやくメールが楓からきた。本文はというと、 <鮫島さん、本当にごめんなさい! 言い訳になるけど、おばあちゃんが倒れてしまって危篤(きとく)状態になってしまい、今ようやく落ち着いたところなんです。メールで返事してもいいですか?> <ああ、いいよ> <鮫島さんとの交際、OKです。よろしくお願いします>  この文章を見て、僕は歓喜した。 「やったー! ようやく楓と付き合えたー!」  俺はガッツポーズを決めた。 <こちらこそ、宜しく! 明日、楓は部活あるのか?>  メールはすぐに来た。 <ありますよ> <俺は明日バイトさ。一緒に帰れる日があったら帰ろう?> <そうですね、いいですよ> <あと、敬語は俺と2人で話している時は使わないでくれよ。何か、距離を感じるから> <わかりました。メールもため口でいいんですか?> <もちろんだよ!> <わかった>  こうして俺と楓の交際はスタートした。楽しい事が沢山あるといいな。思い出もいっぱい作りたい! 因みに俺は初めての彼女が出来た。おめでたい。                                  了  
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