第7話 友人への謝罪

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第7話 友人への謝罪

 バイト先についてだが、感情的になってしまった俺が悪い。桑田は謝ってくれたのに。反省した。だから、もう一度彼にバイトの件を話そう。俺も謝らなければ。  学校から帰宅して俺は桑田にメールを送った。 <昨日はすまなかった。反省したよ、感情的になってしまって。だから、桑田のスーパーマーケットの履歴書のわからないところ教えてくれないか?>  今の時刻は20時過ぎ。桑田は今日バイトの日だろうか。もし、そうならバイトの終わる時間なはず。俺はそう考えながらテレビを観ていた。すると、電話がかかってきた。相手は桑田からだった。電話なんて珍しい。すぐに出た。 「もしもし」 『鮫島、明日の昼休み教えてやるよ。だから履歴書持ってきてくれ』 「わかった、ありがとな」 『いや、いいんだ。気にするな』 「桑田は心が広いな」 『そうか? でも、サンキュ』  そう言って電話を切った。  一応、両親にも伝えておくか、バイトをする話しを。今は20時30分頃。俺は自宅にいる。両親も居間にいると思うから話しをしに行った。居間と繋がるドアを開けると両親はテレビを観て笑っていた。どうやらバラエティ番組を観ているようだ。 「ちょっと話したいことがあるんだけど」  父は、 「何だ、今、面白いところなんだ。後にしてくれ」  何だよ大事な話しなのに。仕方ないので番組が終わるまで一緒に観ていた。  母も一緒に観ていて笑っていた。  番組が終わり、父は、 「話しってなんだ?」  不思議そうな顔をしている。母もだ。 「俺、友達と同じところでバイトするから」  父は言った。 「おお、いいじゃないか。社会勉強になるぞ」  母も言った。 「どこでアルバイトするの?」  僕は答えた。 「桑田と同じスーパーマーケットで」 「ああ、そうなの。友達がいるなら心強いね」  俺は頷いた。  翌日の昼休み。桑田は俺がいる教室に来てくれた。俺はすぐに彼の元に行って、 「昨日はごめんな」  と言いながら頭を下げて謝った。 「いやいや、そこまでしなくてもいいよ、頭を上げてくれ鮫島! 逆にこっちが恐縮するよ」 「ありがとな、桑田。相変わらずいいやつだ」  彼は照れた様子で言った。 「いや、そんなことないよ。早速、履歴書を書こうぜ」 「そうだな」    そして、桑田のおかげで完成した。 「よかったー! ありがとう。今日、バイトか?」 「ああ、そうだ。店長に改めて訊いてやるよ。いつ面接できるかを」 「悪いな、サンキュ!」 「明日は土曜日だからたまに外で会わないか?」  桑田はそう言った。 「そうだな、そうするか」 「午後1時頃に桑田の家に行くわ。その時、教えてくれ」 「了解!」  話し込んでいる内に予鈴が鳴った。 「じゃあ、明日な」 「おう」  こうして話はまとまった。
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