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シズコ先生はショウタ君を会議室に呼び出しました。会議室には他に誰も居ません。
「正直に答えなさい。あなた、ケンヂ君をいじめていましたね」
ショウタ君は俯いたまま、居心地が悪そうにモジモジしています。
「黙ってちゃ分からないでしょう。あなたがケンヂ君に暴力を振るっていたのを見た人がいるんです」
「あれは……プロレスごっこだったんです。ケンヂ君だってオレに技掛けてたし……」
シズコ先生はケンヂ君の顔を覗き込んで、無理矢理目を合わせました。
「あなたがどう思っていようと、相手がいじめだと感じたらいじめなの。遊びのつもりだったとしても、相手は深く傷付いていたのよ」
不満げなショウタ君の肩を、シズコ先生はガッチリ掴んで言いました。
「いくら言い訳してもやってしまった事実は変わりません。ショウタ君、あなたはケンヂ君をいじめてしまったの。いいですね」
気圧されたショウタ君の目に涙が浮かびました。シズコ先生が、いいですね、と念を押すと、泣きながらコクコク頷きます。
「分かったのなら、先生からはもう何も言う事はありません。行きなさい」
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